竹島町「榊軕」に見る先人達の知恵

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※写真は竹島町の「榊軕」

 江戸期から明治期に建造された軕には、その道に携わった職人にしか分からない細やかな技術があるようです。軕の基礎となる木工部分は完成後に取り換えや新調するといったことが出来ないため、特に重要となります。中町の布袋軕を再建された坂下棟梁を「なるほどー」と感心させた部分が、下勾欄の土台となるトメの加工処理の仕方です。軕は曳くものですから木工部分に遊びが有ります。アスファルトの道路上を曳いている際、中央は高く脇の方は低くなっているため実際は歪んだ状態で軕を曳いています。
 トメとは前後左右の板の四隅が斜め45度の角度で合わさっている部分の事ですが、ただ普通に合わさっているだけですと歪んだ状態で曳いていると切り口が目立って軕自体が歪んで見えてしまいます。そこを目立たなくする技術が今回ご紹介する先人の知恵なのです。

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※写真は「榊軕」のトメの部分

 それぞれの角を丸く削り、合し目をハート型にしているのが分かります。このように加工すれば確かに歪んでズレたとしても目立ちませんよね。しかもそこの部分に彫金金具が取り付けてある為に更に目立ちません。将来、布袋軕に漆塗りを施す際には、その前に必ずしておきたい加工処理です。見れば見るほどに新たな発見がある先人たちの技術と知恵をご紹介しました。

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