布袋軕の中の三畳の空間

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※布袋軕の中は、子供たちの秘密の隠れ家。

 十ヶ町以外の方は、軕の中を見たことが有るでしょうか。ましてや軕に乗せてもらう事などまず無いかと思います。この特別感が大人も子供も祭り中毒にさせるのです。私が子供の頃、動いている神楽軕に乗って勾欄の上から見下ろす景色は最高でした。優越感と注目される視線が気持ちを高揚させるのです。
 子供の頃に味わったこれらの経験は、大人になっても収まる事はまずありません。八幡神社の人だかりの前でお囃子を披露するときなんかは、たとえ吹けなくても吹いている格好をしたり(笑)、また身に着ける小物にも自己主張があったりと実に微笑ましくも思えます。この事は大人も子供も皆同じなのです。町内の人それぞれが自分に適した居場所を確保し、それぞれの役割を全うするのです。不思議とバランス良く自然配置が出来るものです。またゆらゆらと動く軕の中は、まさに秘密の隠れ家です。子供達にはこれを経験させてあげたいのです。三畳の狭い空間で子供たちが皆で仲良く無邪気に遊んでいる様を親御さん達も微笑ましく見守っています。皆が中町の半被に袖を通して初めて一体となれるのです。
 しかし私が少々気にしている事は、この三畳間を人形方の大人が占領している時間が長い事です。確かにからくり芸は人形方の出番ですが、何かと用事を作っては出てきません(笑)。これではダメなのです。子供は大人の姿を見ていますし、大人のお手伝いがしたいのです。子供を上手に躾けていく事こそ、将来中町の財産になる事は間違いない事なのです。

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